2016-01-01から1年間の記事一覧

さらに追及するには

ここまでは、具体的なイメージをもっていただくため湯温を85℃、ひたし時間を2分としてきましたが、コーヒー粉によっては90℃以上のもっと高い温度がよい場合があります、逆に80℃より低い温度がよい場合があります。ひたし湯温度はそのままで、注湯温度だけ下…

簡単な手順と一手間かける手順

簡単な手順がよい方には、品質の悪いコーヒー粉にはうるおい基本、品質のよいコーヒー粉には漉し足しがよいでしょう。一手間かけることを厭わない方には、品質の悪いコーヒー粉には打ち返しが、品質のよいコーヒー粉には半返しがよいでしょう。

半返し

品質のよいコーヒー粉の場合、うるおい式基本で抽出したあとのコーヒーかすにもまだよい成分が残っている可能性があります。コーヒーかすにさらに注湯すれば残った成分を取り出すことができますが、濃度のうすい状態になりますので渋みが出てくる可能性があ…

漉し足し

品質のよいコーヒー粉の場合、うるおい式基本で抽出したあとのコーヒーかすにもまだよい成分が残っている可能性があります。コーヒーかすにさらに注湯すれば残った成分を取り出すことができますが、濃度のうすい状態になりますので渋みが出てくる可能性があ…

打ち返し(二度漉し)

うるおい式基本の淹れ方で抽出されたコーヒー液でもまだ渋みが残っている場合があります。このような場合は内カップに残ったコーヒーかすを内カップごと試飲カップに乗せ、外カップにあるコーヒー液を再びコーヒーかすに注ぎます。試飲カップに出てくるコー…

まろやか/渋み仮説2

つぎの仮説もフレーバーコーヒー「珈琲科学館」を参考に、うまみをまろやか成分に言い換えたものですが、これをまろやか/渋み仮説2と呼んで抽出に応用することを考えます。まろやか/渋み仮説2 まろやか成分:吸着されにくい 渋み成分 :吸着されやすい抽…

うるおい式基本の淹れ方(2)

計量と補助のため試飲カップを1つ使います。 1mlは1gであることを利用して湯量は試飲カップに入れてキッチンスケールで重さとして測ります。湯温は湯沸かしから試飲カップにうつしたあとの湯温です。基本手順 1.少量の湯を注ぐ 粉全体が濡れるか、せいぜい…

うるおい式基本の淹れ方(1)

まろやか/渋み仮説1に基づいて濃い状態を保つことによって、コーヒー成分のうちまろやか成分だけを取り出そうとする手順です。まろやか/渋み仮説1 まろやか成分:高い濃度の水溶液にもとける 全体としてとけやすい 渋み成分 :低い濃度の水溶液にしかと…

うるおいドリッパー(2)

抽出されたコーヒー液は、外カップに出来あがるのですが、途中で補助的に別の受け容器を使います。プラカップが中にすっぽり入り込まないようにプラカップより直径が小さめの例えばガラスコップなどを使います。コーヒー教室では試飲カップを使っています。…

うるおいドリッパー(1)

市販のプラカップの底に穴をあけたもの1個と、穴をあけないそのままのもの1個、それとカップホルダーを組み合わせたものです。穴の形は○である必要はなく、カッターで△の穴を空けてもかまいません。 2個のプラカップのうち、穴を空けた方を内側にして重ねて…

うるおい式淹れ方(3)

自分好みの抽出条件を探すには、抽出に再現性があることが大切です。粒度、湯の量、温度、ひたす時間を同じにすれば同じ味になります。なぜなら、抽出の大部分はひたし時間内に終わり、つづく注湯は少量の湯を一気にかけるだけなので毎回同じやり方が可能だ…

うるおい式淹れ方(2)

ひたひた状態で抽出されたコーヒー液は濃度が高いとはいえ少量しかありません。これに湯をかけて洗い出すのですが、このとき時間をかけないのがうるおい式の肝要なところで、うるおい式の再現性のよさの理由でもあります。ドリップ式は湯を注いでいるとき同…

うるおい式淹れ方(1)

粉全体がやっとひたる程度のひたひた状態(ひたし)を一定時間保ちます。そして高い濃度の状態で抽出されたコーヒー液に少量の湯(水)を一気にかけて短時間で取り出します。うるおい式での「ひたし」はドリップ式の「蒸らし」とは異なります。ドリップ式の…

抽出における考慮点(2)

これはご存知の方も多いサイトのフレーバーコーヒー「珈琲科学館」に書かれているうまみと渋みの性質の一部を私がまろやか成分と渋み成分に言い換えたものですが、これを「まろやか/渋み仮説1」としました。まろやか成分:高い濃度の水溶液にもとける 全体…

抽出における考慮点 (1)

コーヒーの抽出において抽出結果を左右する条件は、粉の品質以外にも水の品質や粉砕粒度、粉の量、抽出湯温、抽出時間などが重要とされており、それぞれについての注意点やお勧めの情報は書籍やネットにあふれていますが好みは人それぞれですので基本的なこ…

円錐ドリッパーとうるおいドリッパー(2)

円錐ドリップ式に比べますと、うるおい式はその手順に特別の修練を必要とする部分がなく、量と時間をきちんと計ってやれば毎回安定した抽出ができます。それに、特殊な抽出原理を使って雑味成分をカットし、まろやか成分だけを取り出そうとします。この意味…

円錐ドリッパーとうるおいドリッパー(1)

円錐ドリッパーは近年ドリップ式の主流になっている感があります。これはメーカーの宣伝もあるでしょうが、おそらくそれまでのメリタ式、カリタ式より注湯の制御がきくというところに人気があるのだろうと思われます。当初はプロ向きとされていましたように…

濃く入れてうすめて飲むコーヒー教室(5)

これまで述べました低品質のコーヒー粉と言いますのはドリップ式で淹れたときそのコーヒー液に渋みがあるものをさしています。コーヒー粉の品質は抽出する時の品質を指しています。たとえ高い品質とされている生豆であっても、焙煎の技量によっては雑味の多…

濃く入れてうすめて飲むコーヒー教室(4)

ドリップ式で淹れるとおいしい高品質のコーヒー粉をうるおい式で淹れるとさらにおいしくなるかといえば残念ながらそうはなりません。まろやかですっきりしたコーヒーができることは変わりませんが、高品質のコーヒー粉のもつ香りや味の微妙なよさがでにくい…

濃く入れてうすめて飲むコーヒー教室(3)

教室ではおなじコーヒー粉をコーヒーメーカー(ドリップ式)で淹れたものと、受講生自らうるおい式で淹れたものとをその場で飲んで両者の違いを体験してもらっています。さらに、うるおい式の淹れ方を発展させた「打ち返し」と「漉し足し」、「半返し」も紹…

濃く入れてうすめて飲むコーヒー教室(2)

松屋式の淹れ方をご存知の方もいらっしゃると思いますが、あの淹れかたと手順は違いますがうるおい式の基本原理は同じと思っています。松屋式は市販の抽出器でも可能ですが、松屋式用の特殊な抽出器があります。同様にうるおい式も市販されている抽出器で可…

 濃く淹れてうすめて飲むコーヒー教室(1)

私は日本セカンドライフ協会(JASS)の会員向けにコーヒー教室「濃く淹れてうすめて飲むコーヒー教室」をやっておりますが、ここでその内容を何回にも分けて少しずつご紹介しようと思います。この教室では「うるおい式」淹れ方を講義しています。私は「…