うるおい式淹れ方(2)

ひたひた状態で抽出されたコーヒー液は濃度が高いとはいえ少量しかありません。これに湯をかけて洗い出すのですが、このとき時間をかけないのがうるおい式の肝要なところで、うるおい式の再現性のよさの理由でもあります。ドリップ式は湯を注いでいるとき同時に抽出液が抜けていく方法です。従って、濃度が薄い状態が続くため渋み成分も出やすくなります(注)。別の言い方をすれば、うるおい式抽出はドリップ式なら抽出される成分の一部をカットしています。このカットされる成分に渋みが多いコーヒー粉ならうるおい式が向いており、カットされる成分に渋み成分がないならドリップ式が向いているといえます。

注:松屋式ドリップでは濃度が薄くならないような細い湯を時間をかけて人数前の半分だけ注湯します。