濃く入れてうすめて飲むコーヒー教室(5)

これまで述べました低品質のコーヒー粉と言いますのはドリップ式で淹れたときそのコーヒー液に渋みがあるものをさしています。コーヒー粉の品質は抽出する時の品質を指しています。たとえ高い品質とされている生豆であっても、焙煎の技量によっては雑味の多いものが出来てしまいますし、焙煎がうまくいっても粉砕して日数が経ちますと品質は劣化していきます。スーパーマーケット等で売られているコーヒー粉はたとえ原料の生豆が高品質で、上手に焙煎されていたとしても粉砕されてから店頭に並ぶまではかなりの日数が経っています。これらの製品の多くの賞味期限は焙煎後半年〜1年程度先の日付ですので、田口護氏の言われるよいコーヒーの条件である「挽きたて」とはほど遠いものです。しかし、これらの製品は値段が手ごろで入手しやすいためかなり沢山の人たちが利用しているのも事実です。このようなコーヒー粉を淹れるにはドリップ式よりうるおい式のほうが向いていると思います。