まろやか/渋み仮説2

つぎの仮説もフレーバーコーヒー「珈琲科学館」を参考に、うまみをまろやか成分に言い換えたものですが、これをまろやか/渋み仮説2と呼んで抽出に応用することを考えます。

まろやか/渋み仮説2
まろやか成分:吸着されにくい
渋み成分  :吸着されやすい

抽出の際コーヒー粉がコーヒー液に浸っている状態にありますが、その状態においてコーヒー粉からは新たにコーヒー成分が湯(水)に移行する一方、コーヒー液の成分は再びコーヒー粉に移行していくという現象(二相分配)が起きています(旦部幸博著「コーヒーの科学」より)。まろやか/渋み仮説2と、二相分配を合わせますと、次のように解釈することができます。いったん取り出した抽出液をコーヒーかすに通した場合、まろやか成分はかすに吸着されにくく、渋み成分はかすに吸着されやすい。いったん取り出した抽出液の温度は注湯温度より低くなっています。従って、初めの注湯温度ではコーヒー粉から湯に移行した渋み成分も、二度目に通すときは、かすの方に移行しやすいと考えられます。一方でまろやか成分は、温度が低くても溶け出すので打ち返し(二度漉し)すると濃さが増すことになります。