サイフォンを使ってサイクロン式抽出

コーヒー粉を任意の時間湯に浸して、しかるのちに湯を追加して真空吸引する、これがサイクロン式抽出と私が呼んでいる方法で、特許としても認められたものです。それがサイフォンを使って、ほぼ似たようなことができることをつい最近発見しました。発見というと少し大げさかもしれませんが、私にとっては長年追い求めていたことなので気持ち的にはそう言いたいのです。
コーヒー粉を任意の時間蒸らして、しかるのちに湯を注いで真空抽出するという方法ならサイフォンでもできることを見つけたのが2007年ですから実に5年以上経ちました。蒸らしてから少ない湯を注いで濃縮コーヒーを作り、それを薄めて飲むという方法で様々な面白いことがありまだまだ研究は続くのですが、この方法では再現性が高く、持ちはよくもののやや軽めのコーヒーになり、上質のコーヒーを使うのにはもったいないというのが欠点です。持ちはよくなくても再現性が高く、上質のコーヒーでも抽出したくなるにはやはり蒸らすのではなく浸す方法でなくてはいけないのですが、いかんせんサイフォンではやりようがないと思っていました。
サイフォンを使って、浸すサイクロン式の抽出は次のようにすればできます。まず、フラスコに湯20mlを入れ加熱します。ロートには粉をいれ蒸らしに必要なだけの湯を入れ、かき混ぜて全体を濡らします。フラスコの湯が沸騰してきたらロートを差込みます。そこに浸すための湯を注ぎますと、ロートから水蒸気が発生していますのでその圧力により湯はロート内にとどまり、コーヒー粉は浸された状態を保ちます。適当な時間浸したら加熱を止めます。すると真空吸引が始まりロートの中に抽出液ができる、という訳です。
この方法は見つけたばかりで、まだ研究はこれからです。本来のサイクロン式と少しだけ異なるのは、浸しているとき常にロートから水蒸気が出てきますので浸している部分の温度に影響するところですが、これが悪い方に影響するのかよい方に影響するのかはなんとも言えません。