まろやか/渋み仮説の検証方法は?

私がまろやか/渋み仮説と言っているのは
「まろやか成分は溶けやすく、高い濃度の水溶液にも溶け、低音でも溶ける。一方、渋み成分は溶けにくく、低い濃度の水溶液にしか解けず、低温では溶けにくい」
というもので、これはもともとフレーバーコーヒーのNさんが、旨み成分と渋み成分についてそれぞれこのような性質があると言われている事の「旨み成分」を「まろやか成分」に変えたものです。理由は、旨いかどうかは好きかどうかの要素も含み一般に個人差があり客観的な判定がしにくいのに対して、まろやかかどうかはブラックで飲めるかどうかで判定すれば比較的個人差が少ない判定ができると考えたからです。

コーヒーの品質を判定する方法としてはスペシャリティコーヒーの判定に使われるカッピングが標準的な方法ですが、「濃く淹れてうすめて飲む」という抽出方法を追求するものにとってはもう少し別の観点で評価する必要があります。
ドリップ式抽出をしていると最初は濃い目の液が下りてきますが時間とともに徐々に薄くなっていくのがわかります。一般にコーヒーの好ましい成分は足が早く、好ましくない成分は足が遅いと言われていますが、好ましくない成分がではじめる時間がコーヒー豆によって異なります。上質の豆で煎りたて挽きたてのコーヒー粉であれば好ましくない成分がではじめる時間はかなり遅いのに対して、上質でないものあるいは酸化の進んだ古い豆などは好ましくない成分が比較的早めに出てきます。人数分の量ができたときに抽出を止めて出来上がりとなる訳ですが、好ましくない成分が早めにでるコーヒー粉では人数分の量に達する前にすでに好ましくない成分がではじめます。人数分に達するまで抽出すれば当然好ましくない成分が混じりますからおいしさが損なわれます。このようなコーヒー粉の場合は、人数分に達するまで抽出するより少し早めにやめて足らない量はお湯を足して人数分にするほうが、多少薄くなってもおいしく飲めます。

日本の普通の煎茶は1煎目でうまみを感じ、成分が抜けてくる2煎目、3煎目はすっきりとした味になると言う人もいるように、数回に分けて抽出してそれぞれの味を楽しむようですが、これがヒントになってコーヒーの品質を判定する方法を思いつきました。煎茶と同じようにコーヒーを淹れると1煎目、2煎目、3煎目でそれぞれ味が違うはずで、それぞれがまろやかかどうか、渋みがあるかどうかで判定できるのではないかと考えたのです。