まずいコーヒーとの格闘

昨年一年間を振り返ってみますと、コストコで売っているコーヒー豆の質が極端に悪くなったと思います。一年前までもそう品質が良かったとは思いませんが、濃く淹れてうすめればおいしく飲めました。特にUCCのコストコ仕様であったEuropean Tasteは、普通にドリップ式などで淹れると価格相応の味なのに、濃縮コーヒーにしてうすめて飲むと高級なコーヒーと似た味のようになり「濃く淹れて薄めて飲む」のに最適なものでした。しかし、その豆は3月くらいから姿を消してしまいました。そして以前は生産国がコロンビア、ブラジルと書かれていたHouse Blendの豆がグァテマラに変わり、COSTA RICAと書かれた豆や、生産国がインドネシアパプアニューギニアと書かれたAnniversary Blendが売られるようになったりで様変わりです。
そしてこのCOSTA RICAとAnniversary Blendはこれまで私が遭遇したことのない豆です。COSTA RICAは黒々とイタリアンローストに焼き上げた豆でとても苦い。深煎りですから苦いのは当然としても、ちっとも旨い味がしません。一般的な淹れ方はもちろん、濃く入れて薄めてもうまくありません。苦いだけ。1kgの豆はまだ半分以上残っていますので捨てるにはもったいないし、これはまずい豆をどうやったら旨く飲めるか研究するよい機会と考えました。苦さを和らげるには抽出湯の温度を下げればよいことは一般的にわかっています。一方温度を下げれば成分の抽出速度は遅くなりますので蒸らし時間を延ばしてやってみました。水で蒸らして、水で抽出から始めていろいろなパターンを試してみましたが、60度くらいの湯で数分蒸らし、50度くらいの湯で濃縮抽出すると、その濃縮コーヒーを薄めるとまずまずの味で飲めるようなものができました。
もう一つのAnniversary BlendはCOSTA RICAよりさらに始末の悪い豆で、フレンチロースト程度の煎りですが普通に淹れると麦茶の味にしかならないのです。Arabicaと書いてある豆なのにコーヒーの味にならず、まあ普通に麦茶の味なのです。そこで、COSTA RICAと同様60度の温湯で数分蒸らし、50度の温湯で濃縮抽してみたところ、コーヒーの味にはなったのですがいま一つこくが足りません。それでは、と数分温湯に浸し、温湯で淹れてみましたところ美味しいコーヒーの味になりました。