苦いだけのコーヒー豆と温湯抽出

COSTCOでCOSTA RICAと表示してある豆を買いましたが安いだけに臭い匂いの豆です。この匂いはロブスターではないかと思うのですが、生産地はアラビカに向いた気候の場所だと書いてあるだけでこの豆がアラビカかどうかは何も書かれていません。つまりそれはアラビカではありませんと言っているのかなと勘ぐりたくなります。焙煎度は3段階表示でダークローストとかいてありますが色は黒くはなくこげ茶の濃い色ですので一般的な8段階表示ではフレンチローストくらいの色です。

この豆を私が普通やっている各種の方法で淹れてみましたが、どうやってもほとんど苦いだけでまろやかさもうまさもありません。これまでこんな豆に出会ったことがありません。1キロもある豆をこのまま捨てる気にもなりませんので、これは逆にいい機会ととらえ、このどうにもならない豆をそこそこ飲めるように淹れることに挑戦することにしました。

なにしろまず苦すぎるので、水出しすれば苦さは和らぐだろうと、まろやか渋み検査を水でやってみました。まろやか渋み検査とは私が開発したコーヒー豆の最適な抽出方法を探る検査方法です。簡単に申しますと、300mlの湯を100mlづつ3回に分けて抽出し、各回の抽出液それぞれのまろやかさ、渋さを評価します。湯温は90度前後です。まろやかなら○、渋ければ×どちらでもなければ−とします。

1回目の100mlを水で、2回目、3回目を湯で抽出した結果は、(○○−)でした。3回とも湯で抽出した評価は(−−−)で、まろやかでもなく渋くもなく苦いだけだったのが、水でやるとまろやかになり苦さもなくました。しかし美味しくはありません。そこで、中間を取って60度くらいの湯でやってみましたところ、(○○○)でしかも苦さは適度で美味しい味になりました。これはつまり、この豆にも美味しい成分がある証拠です。そこで次には濃縮コーヒーとしてその成分を取り出すことに進みました。

まろやか渋み検査の結果を使用し、60度の温湯で蒸らしを10分やり、温湯で抽出したところ、できた濃縮コーヒーは薄めると結構のめる味のものになりました。しかしやや雑味もあるようにも感じましたので、蒸らしを5分に縮めてみたところ、できた濃縮コーヒーはうすめると「うまい」と感じました。普段から厳しい評価をしてくれる妻も、何も言わずに普通に飲んでいます。

サイクロン式濃縮コーヒーの特徴の一つが、再現性が高いことです。湯温を60度にし、湯量と時間を同じにすることによって毎回同じ味に淹れることができますので、COSTA RICAの豆の残りはすべて美味しく飲んで、今日でなくなりました。