まろやかなコーヒーとは

まろやかな味というときのまろやかは、国語辞典では
(2)穏やかなさま。円満なさま。
にあたります。私が「まろやかなコーヒー」と言うとき、味は上記のとおりですが、もう少し具体的には

  • ブラックでも舌に穏やかでのどごしよく飲める

ようなコーヒーです。舌に対するぴりぴりした刺激がほとんどないコーヒーのことを言っていて、おいしいということとはまた別の話です。

「おいしいコーヒー」は誰しも求めるものです。しかし、おいしいと感じるかどうかは人によりけりで、ある人にはおいしくても別の人にはおいしくないということがあるのはよく知られていることです。実際我が家では酸味のあるコーヒーの場合、私はそれなりにおいしいと思っても妻はだいたい「すっぱい、おいしくない」といいます。それでもまろやかであるかまろやかでないかの判定ではだいたい一致します。私は「ちょっとすっぱいけどまろやかでおいしい」と感じ、妻は「まろやかだけどすっぱくておいしくない」というわけです。

まろやかならおいしいと感じる人もいれば、まろやかでも酸味があるといやな人もいますし、まろやかだけど何か足らないと感じる人もいます。香りも重要ですし、こくも重要、人によっては酸味あるいは苦味の程度が重要かもしれません。料理にぴりぴりした味の香辛料を少し加えると味がさらに深まるように、コーヒーにも多少は雑味のような成分が入っているほうが深みのある味になることも十分ありえます。しかし、まろやかな成分が多いことは、おいしいコーヒーであることの条件ではないかと思っています。